最初は取り付け方が分からず手間取りました。シェルの狭い方と広い方のどっちにカートリッジを付けるのか、アームの右側/左側、シェルの裏/表…順列組み合わせで8通り考えられます。トラッキング角とカートリッジの方向を両立させたいところですが、ピュアストレートの観点からは後者がより重要でしょう。理想はカンチレバーとアームの根本部分が一直線に並ぶことですが、うちのアームでは不可能だったので、カートリッジがアームの根本の方向と平行になるよう取り付けてみました。こうすると低域の伸びと量感がすごいです。FIDELIXの中川氏によるとカートリッジはアームの回転軸の中心に向けるのがよいとのこと。この方式では情報量・音数が多くなり、音楽的に楽しくなる印象です。(いずれにせよトラッキング角エラーが最小になるようアンダーハングを調整します。)総じて性能の向上は目覚ましく、濃い、しかも抜けとキレの良い音、非常にダイナミックな音になります。トラッキング角エラーによる歪みは感じられず、傷や深く入り込んだほこりにも負けずトレースします。ピュアストレートアームを導入できない場合、このシェルは非常に有難い製品となるでしょう。