熱エネルギーを変換するUSB電源として、キャンプや災害時の活躍を見込めるという観点で購入。
実際に使ってみると、電動ファンのおかげで燃料とした木ぎれへの着火が非常に簡単でした。うまくやれば特別な着火剤も不要です。
構造上、横からの風にも強く、純粋に火力装置として優秀です。燃焼室の周囲から渦状に気流が発生して、炎が小さな竜巻のようになって踊る様子は見ているだけでも非常に面白いものです。この火力と電力を何かに利用するということを目的としなくても、焚き火愛好家なら娯楽用品として十分に活用できると思います。かえって、加熱したい物を上にのせると炎が見えなくなって残念にさえ感じます。
燃焼室がさほど大きくないため、長時間に渡り火力を要する場合には燃料の追加を頻繁に行わなければなりません。隙間から突っ込むのはとても無理なので、その際に鍋ややかんをいちいち持ち上げるのは不便かもしれません。
その他、初回使用時に短所と感じたのは次の2点です。
☆本体の底部についている、折りたためる三脚座の仕上げがなされていない。
金属の断端が鋭いので、取り扱い時に手やその他の柔らかいものを傷つける可能性があります。アルミニウムらしい素材だから、やすりをかける手間を惜しまなければ安全なものになります。
☆ファンが意外にうるさい。
風量にはLowとHiの2段階があって、火力を調節できるようになっていますが、Lowでも十分に大きな音がします。たとえるならヘアドライヤーのような、いかにもモーターで風を送っているという感じの高音で、場面によっては耳障りかもしれません。
なお、燃焼室はステンレススチール製で、熱によっては簡単には劣化しないと思われます。しかし、かなり薄い部材でできているので、取り扱いを誤ると容易に変形したり破損したりしそうな印象があります。ヘビーデューテーとはほど遠い感じ。
さらに、1Kg近い重量にはちょっと考えさせられます。家庭内で非常時に使う、あるいは車で持ち出す、という用途ならまったく問題ありません。けれども山行時に携行するのはいかがなものでしょう。現地で燃料を調達できる保証がなければ、より軽くて確実性の高いガスストーブを持って行くのが賢明と思われます。もちろん、通信機器や照明器具用にUSB電源を必須とする場合や、夜の山中で炎を見つめてほっとしたい時には大いに役立ちますよ。