縁有って、モリナールの代表作、『アバニータ』を手に入れる事が出来ました。
今回手にしたのは、2012年に発売された、リニューアル版ですが、オリジナルは1921年。
シャネルの『No.5』が発売された年。
当時は、オードトワレが主流だったそうですが、残念ながら、オードトワレは、手にしていないので分かりません。
オードトワレは、パワフルロングラスティングな事で評判を呼び、『世界一香りが持続する香水』と謳われた程の香水だったとか。
アバニータとは、キューバの都市、アバナ(ハバナ)に因んだもので、元々はここの名産品であるタバコの香り付けの為に開発された香りだったそうです。
当時のアバナは、酒とタバコと女と狂乱に満ちた街だったらしく、そのアバナの様子を表現した香りだとか。
確かに嗅いでみると、成る程と思える位、バニラやアンバー、タバコ、オークモス、ヘリオトロープ、オリス等の重厚てどっしりとした香りがします。
オードトワレとなれば、その迫力はもっと凄かったでしょうね。
モリナールの凄いところは、90年以上経った今でも殆んど処方を変えていない事。
アバニータは、これまで、こちらのリニューアル版オードパルファン
を含め、2度程リニューアルをしていますが、オリジナルの魅力をそのままに、透明感だけを上げただけなんだとか。
大概のブランド香水は、売れる事を優先して、同じ名前を冠しただけの全くの別物に成り下がる事が多いのですが、モリナールに至っては、売れる事よりも、その香水の魅力を重んじたといったところでしょうか。
流石は職人気質のブランドなだけのことはあります。
アバニータに対しては相当な愛情を注ぎ込んだ様で、リニューアル版でもそのモリナールの姿勢がしっかりと感じ取れます。
ボトルもラリックボトルで、重厚な香りに相応しい造り。
今後も作り続けて欲しい香水ですね。