仕事や趣味のアウトドアで色々なハンディライト類を使ってきましたが、ぶっちぎりで一番明るいです。原付バイクのヘッドライトぐらいの光量はあります。これまで十分明るいと思っていた3Wのハンディライトが行灯に見えるレベルです。ワイド照射では光にムラがないので余計に明るく感じるというのもあるでしょう。ハロゲン投光器には当然負けますが、これだけ光量があれば手軽な集魚灯としてタチウオやイカの夜釣りに使えそうに思います。
スポット光照射では、四角い光源像がモロに出ますが、わずかにぼかせば消えます。スポット光照射するとサーチライトのように強烈な光になるので照射口を覗き込むのはもちろん、ふざけて他人の顔に向けるのも危険です。子供に持たせてはいけません。
私は光学屋さんなので、カタログ値と現実の差を実測してみました。まず、LED素子のデータシートを調べてみましたが1300lmという数字は「素子の定格最大光量」で、実際にモノを照らしている光量ではありません。実際に射出光出力を調べてみると、照射円直径1800mmで平均照度200lxなので、全光束は500lm程度でした。なお、この製品の光学系だとスポット光にした場合、照射面照度は明るくなりますがロスが大きくなり、全光束は下がります。実測すると照射面サイズ200mm角で3,000lx、すなわち120lmしか出ませんでした。
また、3段階の調光機能が付いていますが、電流値を制御しているのではなく早い周期でLEDを点滅させて暗く見せる「PWM調光」方式なので、これをビデオカメラ用の照明に使うと画面が明滅して見えます。そういう目的で買おうと思っている人は、最大出力時しかビデオ用にはならないので注意してください。
これの光源LED(CREE XL-M T6)は砲弾LEDのように発光部をレンズの中に埋め込んで前方に放射される光を多くして光の利用効率を高めてあるので、同じ1300lmの素子出力でも発光部が裸で広角に拡散する素子ならもっと実出力は下がるでしょうから、この製品は良いほうだと思われます。投影レンズ(ムーンレンズと称するもの)はコートもないアクリルレンズですから、輝度効率40%ならまぁこんなもんだろ、というのが技術的見解です。なお消費者的見解では、この値段でこの性能なら買いだと思います。